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特別送達郵便ってどんなもの?来たら何をすればいいの?

借金の返済が滞り始めている方の中には、裁判所から「特別送達」というものが届いて驚いている方もいるのではないでしょうか。

借金が払えないと、貸金業者・債権回収会社・弁護士からたくさんの督促がきてしまい、それらの中身をいちいち確認するのは面倒に感じる方も多いかもしれません。

しかし、特別送達が届いている状態を放置すると、自宅などの財産や給与の差し押さえが行われる可能性があるため、今すぐに何らかの行動を起こす必要があります。

このページでは「特別送達とはどのようなものか」を対処法とあわせてお伝えします。

\特別送達郵便が届いたら…!/

目次
  1. 特別送達ってどんなもの?
  2. 特別送達の届けられる方法
  3. 借金の返済ができなくなって特別送達が送られてくる場合には何がおきているか
  4. 特別送達を受けることのダメージを考える
  5. 不利益を受けないための債務整理を知っておこう
  6. まとめ:特別送達に悩んでいるなら司法書士に相談を

特別送達ってどんなもの?

まずは、「特別送達とはどんなものか」を確認しましょう。

特別送達とは

特別送達とは、民事訴訟法で規定された送達を行い、その送達の事実を証明する「特殊取り扱い」の郵便物です。

民事訴訟を始めるために原告が訴えを提起し、被告(訴えられた側)に訴状等の書類を受け取ってもらう必要があります。

この手続きを送達と呼んでいます。民事訴訟法における送達を行うために、郵便法において特別送達という取り扱いが規定されています。

つまり、裁判所からの送達に必要な郵便物の取り扱いをするのが特別送達です。

たとえば「東京地方裁判所」から特別送達が送られてきた…どんな内容なの?

それでは実際に特別送達を受け取った場合に、どのような内容が記載されているのかを確認しましょう。

訴状

特別送達は訴訟が提起されたとき、相手に訴状を送るために行います

訴えを起こした原告がその言い分を記載し、裁判所に提出する書類は被告(受取人)に届けられることになります。

呼出状

たとえば、「民事裁判の期日について、◯◯年◯◯月◯◯日に決まりましたので、東京地方裁判所の民事第◯部◯◯◯号法廷に来てください」という内容の呼出状が送られてきます。

指定された日時で応じるか、または期日の変更を申し出ます。

証拠

訴状では、請求原因を証明する基本的な証拠について記載があります。(甲◯号証など)

そして、その証拠に関するコピーも同封されています。

証拠説明書

提出した証拠が何で、どんなことを証明しようとしたのかに関する内容は「証拠説明書」に記載があり、こちらも同封されています。

\特別送達郵便が届いたら…!/

特別送達はどのくらいで手元に届くのか

特別送達は、裁判所が送付してからどのくらいの日数で手元に届くのでしょうか。

特別送達といえども郵便物のため、通常の郵便物と同様に届けられます

近距離の場合は早ければ翌日、沖縄や離島などの交通アクセスが不便な場所でも3日程度で届くでしょう。大きなタイムラグが発生することなく届けられると考えて問題ありません。

民事裁判の係属の効力は送達が完了してから始まる

民事裁判が開始するには、事件が係属しなければなりません。事件が係属するためには、被告に訴状の送達を完了させる必要があります。

そのため、どのような状態になると「受け取った」となるのかが問題ですが、詳しくは次の項でお伝えします。

特別送達の届けられる方法

特別送達は、どのようにして本人に届けられるのでしょうか。

特別送達は書留の取り扱いとなるのでポスト投函されない

まず、特部送達は書留として取り扱われるものです。

他の督促状と同じように、ポストに入っていることはありません。

原則として特別送達は被告の住所に届けられる

原則として、特別送達は被告の住所に届けられます。

交付方法は、直接交付を原則としているため(民事訴訟法101条)、配達に訪れた郵便局員がサインをもらった上で手渡しすることになります。

これによって送達を受けたことになり、民事訴訟が開始されます。

民事訴訟法 第百一条(交付送達の原則)

送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してする。

参考:民事訴訟法|e-Gov法令検索

職場に送達をすることもできる

毎日、朝早くから夜遅くまで仕事をしている方の場合、特別送達を受け取ってもらうことが期待できません。

このような場合、民事訴訟法103条によって職場に送達を行うことが認められています。

民事訴訟法 第百三条(送達場所)

送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この節において「住所等」という。)においてする。ただし、法定代理人に対する送達は、本人の営業所又は事務所においてもすることができる。

不在の場合でも本人以外が受け取る補充送達

一人暮らしの方であれば自分で受け取ることになりますが、家族と同居している場合は、在宅する家族が郵便局員から受け取る可能性が高いでしょう。

また職場に送達されると、職場で郵送物の取り扱いをする人や、その場に居た人が受け取ることも考えられます。

このような場合、対応する人が郵送物の受け取りに関する理解ができる人であれば、本人が受け取ったのと同じ状態になるとしています。(106条2項:補充送達)

民事訴訟法 百六条-2(補充送達及び差置送達)

就業場所(第百四条第一項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第百三条第二項の他人又はその法定代理人若しくは使用人その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。

参考:民事訴訟法|e-Gov法令検索

たとえば夫が訴訟を起こされて、自宅に特別送達が送られてきたとします。

そして、妻が裁判所からの送達を受け取ってサインをした場合、夫は「私が受け取ったのではなく妻が受け取ったものなので、まだ送達を受けていません」と主張することはできません。

特別送達の受取を拒否した場合には差置送達

特別送達の受け取りを拒否した場合、配達員がその場に差し置いて送達したものとする「差し置き送達」という処理が認められています。(106条3項)

民事訴訟法 百六条-3(補充送達及び差置送達)

送達を受けるべき者又は第一項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。

参考:民事訴訟法|e-Gov法令検索

被告の住所がわからなくなっているような場合には公示送達がされる

たとえば、貸金業者からお金を借り入れた場合、契約当初の住所から移転してしまい、住所不明になっているケースも多くあります。

住民票を移動しているようであれば、訴訟を前提としている場合に新住所を戸籍の附票などから追跡することができます。

一人暮らしのときの住所でお金を借りて、返済ができずに実家に帰ってきたけど住民票は動かさなかったような場合は、債権者は住所がわからないことがあります。

このような場合は、どこに送達すればいいかわからず、民事訴訟を起こせないように思えるでしょう。

しかし、強制執行を行って少しでも回収したいという動機のほか、裁判を起こして強制執行をしても「回収できない執行不能の状態」と確定させて貸し倒れ処理をとる、あるいは時効の更新処理のためにも民事訴訟は起こします。

どこに居るかわからなくなっている相手に訴訟するときは、公示送達という送達方法が特別に認められています。

公示送達は、「公示」という名前のとおり、公になっており、具体的にはその地域の裁判所の掲示板に張り出されています。

特別送達を受けとっていなくても、住所が不明になってしまっているような場合でも、公示送達によって民事訴訟を起こされている可能性があるので注意しましょう。

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借金の返済ができなくなって特別送達が送られてくる場合には何がおきているか

借金の返済ができなくなっている人に特別送達が送られてきた場合、どのようなことが起きていて、これからどのようなことが起きるのかを確認しましょう。

特別送達が送られてくるのは訴訟を起こされている

特別送達が届くのは、訴訟を起こされたことに原因があります。

地方裁判所からの送達は、請求金額が140万円を超えるものです。一方、簡易裁判所からの送達である場合は、請求金額が140万円以下のものになります。

訴訟を起こされる前に必ず期限の利益を喪失している

消費者金融等から借金をした場合、毎月の支払いをしていれば、残った金額の請求を受けても拒むことができる「期限の利益」があります。

たとえば50万円の借り入れをしていて、毎月3万円の支払いで良いとなっていると、約束した期日に3万円を支払う必要があります。しかし、それ以上の金額を請求されても、期限の利益を理由に断ることが可能です

ただし、訴訟を起こされて特別送達が届いているときは、すでに貸金業者から「期限の利益の喪失」を通知する内容の書面が届いていた状態でしょう。

期限の利益の喪失通知は、督促と同じように届きます。中身を確認せずに破棄してしまったり、通常の督促と同じかと思って捨ててしまったりしないように注意してください。

お金がないのに訴訟してくる理由

借金を返済できない場合は、裁判で訴えても支払うことは難しくなります。それにも関わらず、なぜ貸金業者は訴訟を起こしてくるのでしょうか。

詳しく確認しましょう。

給与は一部差し押さえができるから

何の財産もない方でも、どこかしらで働いていれば給与を得ています。

この給与は、法律上は給与債権という財産であり、生活に必要であるという配慮から全額の差し押さえは認められていません。しかし、33万円以内の部分については1/4が、33万円を超える部分については全額を強制執行できることになっています。

一度強制執行を行うと、勤務先は差し押さえ対象となった部分を計算し、差し引いた金額を給与として支払うことになるため、受け取れる給与が大きく下がります。

時効にかかってしまうのを回避したいから

借金の返済について最後に支払いをしてからおおむね5年以上経過すると、債務者は時効になり支払い義務はないと主張することができます。(民法166条)

1.債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2.債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3.前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

参考:民法第166条

これを避けるために、債権者は民法に規定されたさまざまな行動を起こす必要があるのですが、このとき頻繁に利用される手段が「訴訟を起こす」ことなのです。

貸し倒れ償却という会計上の処理をしたい

債権者からの回収が難しい債権は、貸金業者の会計帳簿上は「債権」という資産が残った状態になっています。

このような状況を不良債権と呼び、資産としてはあるのに現実は回収できていないことになります。

不良債権は「貸し倒れ償却」という会計処理をするのが企業会計上は望ましいため、会社としては早急にこの処理を行いたいのです。

そのために必要なのが、裁判に勝訴した上で強制執行を行い、結果的に強制執行が不可能なことを示す書類です。

このような趣旨から民事訴訟を起こすケースも大いに考えられます。

特別送達を受けることのダメージを考える

特別送達を受けることで、次の2つのダメージを受ける可能性があります。

家族に知られてしまう

上述したとおり、自宅に家族がいる場合は、郵便局員が裁判所からの特別送達を家族に手渡すことになります。

「裁判所から通知が来た」となると、家族から内容を確かめるために問い詰められたり、場合によっては勝手に開封されていたりすることもあるでしょう。

これによって、借金の存在を家族に知られてしまうことになります。

会社に知られてしまう

債権者が職場送達をしてきた場合、勤務先の職場に特別送達がされます。

職場に特別送達されると、自分宛に届けてもらえれば会社の人にはわかりません。しかし、他の人が特別送達を受け取るようなことがあれば、会社の人に特別送達の郵便物が届いたことを知られてしまいます。

職場がゆえに、他人が勝手に開封することは考えにくいですが、どのような書面が届いたのかの推測が可能な方もいるでしょう。そうなると、職場の人に借金をした事実を知られてしまう可能性があります。

給与の差し押さえ時は借金の事実を勤務先に知られる

裁判を起こされた上で、給与に強制執行が行われると、勤務先に「差し押さえ対象となった部分の支払い先」に関する通知がきます。

人事はこれを適切に処理する必要があるため、借金が原因で給与が差し押さえられたことが職場に通知されます。

こうなると確実に勤務先に知られてしまいます。

不利益を受けないための債務整理を知っておこう

これまでにお伝えしたような不利益を受けないために、何らかの対策が必要です。そこで、それらの対策の一つとなる債務整理について知っておきましょう。

債務整理とは

債務整理とは、現在抱えている借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることで、借金による負担から解放されるための手続きです。

債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生などの方法があり、専門家に依頼すると「借金の督促」や「取り立て」はすぐに止まります。

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債務整理をすることで債権者が民事訴訟を起こすのをやめる可能性が高い

債務整理を専門家に依頼すると、自己破産の手続きをして債権が回収できない状態として確定するか、任意整理・個人再生を利用すれば返済に向けて動くことになります。

そうなることで、貸金業者が民事訴訟を起こさなくなる可能性が高まります。

仮に民事訴訟を起こされた後でも債務整理をするメリットはある

仮に民事訴訟を起こされた後でも、債務整理によって訴訟を取り下げたり、訴訟の判決前に適切な処理ができたりするなど、ダメージを最小限に抑えることが可能です。

あきらめずに債務整理を検討しましょう。

まとめ:特別送達に悩んでいるなら司法書士に相談を

「特別送達が送られてきた」「そろそろ訴訟を起こされて特別送達が送られてくるかも」といった場合は、一人で悩まずに債務整理の専門家である司法書士に相談しましょう。

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